PRIDE
11.24 PRIDE23で金原いきなりシウバのタイトルに挑戦。桜庭もケガをおして強行出場。



PRIDE23 東京ドーム大会で遂にあの男が登場する。金原ほろみつ(名前の漢字表示できず)、32歳。元U系の現役選手の多くはPRIDEのリングか独自の総合系リングで活躍、もしくはプロレスのリングに上がっている中、リングス解散後、脂の乗っている強豪ながら試合に出場する機会に恵まれなかった金原がPRIDE初出場でPRIDEミドル級王者のヴァンダレイ・シウバの持つタイトルに挑戦する。

1991年UWFインターナショナルの一期生として入門した金原はその頃から先輩だった田村潔司と同じような道を歩んできた。本人達は意識した訳ではないだろうが、リングスでも共に戦い、田村もPRIDE初参戦にていきなりシウバのミドル級王座に挑戦した。過去の実績が認められたマッチメークとは言え、田村の初出場タイトル挑戦は波紋を呼んだ。それを知っている金原はいきなりのタイトル挑戦は避けたい意向を示したが、PRIDE側の強い要請により、挑戦することが決定した。これにはこのドームのビッグイベントでタイトルマッチを組みたかったということと、シウバが安定した強さを見せタイトルへの挑戦希望者があまりでてこない現状、そして挑戦者は日本人か外国著名選手でなければならないという事情もあったかと思われる。

金原にとっては生涯初の王座挑戦となる。Uインター崩壊後、キングダムではメインを務めることが多く、桜庭達と激闘を繰り広げた。キングダム崩壊後、1998年に前田日明率いるリングスに参戦。リングスでは強豪外国人選手を相手に12連勝を飾り勢いに乗っていた。しかし、後半は過密な連戦により多少失速した。それと同時に今度はリングスが崩壊。その後2ヶ月は蓄積した怪我や疲れの回復に努めた。8月の大きな総合格闘技興行の一週間前にオファーがあったが準備期間がなく、断りそれ以来試合に出る機会に恵まれなかった。「シウバは打撃が強いがうまいとは言えない。右ストレートは自分の方が強いだろう」と自信をみせた金原。Uインター、キングダム、リングスと団体の崩壊を3回も経験しながらも逞しく生き抜いてきた金原の新たなリングでの戦いに期待する。

キングダム時代は金原とメインを務め、その後PRIDEで大活躍。エースを務め、シウバやミルコに連敗しながらも未だ知名度と人気を誇っている。前回8月のミルコ戦で眼か底骨折の重傷を負い、完治まで3ヶ月間と言われた桜庭は先日の診断でも未だ完治していないと言われていた。万が一にも失明の危険もある為、周りは今大会への出場は躊躇したが、桜庭自身の強い希望で出場が決定した。もちろん、強行出場の理由はずっと行動を共にしてきた恩師・高田の引退試合に花を添えたいということ。対戦相手は未だ決まっていないが、今大会のプロデューサー的立場でもある高田も桜庭の怪我の具合を考慮し、一流トップ選手との対戦ではなくこれから期待される選手との対戦を希望している。

これらU系がらみの試合以外にも好カードが決定した。現ヘビー級王者ノゲイラが所属するブラジリアン・トップチームと現ミドル級王者シウバが所属するシュート・ボクセ・アカデミーの因縁対抗戦だ。プラジリアン・トップチームを率いるベテランの“柔術界最後の重鎮”マリオ・スペーヒーがPRIDEのリングでシュート・ボクセの若手であるムリーロ・ニンジャの勢いに押され、判定ながら不覚をとった。元々、仲が良くない両グループの対抗意識は一段と激化。自分のところのリーダーに土をつけたニンジャへの復讐に立ち上がったのが2000・2001年連続でアブダビコンバットで優勝、しかも90キロ前後ながら無差別級でも優勝し“寝技世界一”の称号をゲット。その後リングスにも参戦し、いきなりミドル級王座を獲得。PRIDEに移籍し、ガイ・メッツァーやダン・ヘンダーソンら一流選手も撃破した凄い選手。それでも未だ弱冠24歳だ。対するニンジャは更に若く未だ22歳だ。両者年齢も若く、しかもほとんど同体格。今、正に上り調子のこれからがより期待される両者のブラジリアンホープ対決では玄人を唸らせるような試合を見せてくれるに違いない。PRIDEvsK-1、日本人vs外国人選手もエキサイティングだがハイレベルのブラジリアン同士による他流派対決が熱い。

11.24 PRIDE23 東京ドーム大会 高田延彦引退興行 決定カード
高田引退試合 PRIDEルール高田 延彦VS田村 潔司
ミドル級タイトルマッチ PRIDEルール王者 ヴァンダレイ・シウバVS挑戦者 金原 ひろみつ
PRIDEルール吉田 秀彦VSドン・フライ
PRIDEルールヒカルド・アローナVSムリーロ・ニンジャ
PRIDEルール桜庭 和志VS未定